駆け込み!10月に読んだ本

 あっという間にもうすぐ師走。読書メーターで10月に読んだ本をまとめられるのも今日、11月末日までということで、駆け込みでまとめておきます。

 10月も、『鷺と雪』以外は借りた本。なーんか雰囲気的に好きになれない人だった宮台真司に挑戦(夫の本)、今更ながら『バカの壁』も読みました(義母の本)。自分では絶対買わない本だけど、読んでみると勝手に抱いていた著者や本そのものへのイメージが本当に「勝手」だったと分かったり。

 唯一買った本である『鷺と雪』で、北村薫の「ベッキーさんシリーズ」が完結したのも感慨深い。以下、読書メーターに書いた感想です。

10月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1005ページ

鷺と雪鷺と雪
ベッキーさんシリーズ、これにて読了。最後のシーンで英子の少女時代は終わったのだと思う。「不在の父」での桐原家令嬢道子様が凛として高貴で素敵。ベッキー&英子は別として、このシリーズでは道子さんが一番好きだ。 ところで第一弾、二弾に比べて、語り口がくだけて、お話の締まりもなくなってきたと思うのは私だけか? ☆3
読了日:10月03日 著者:北村 薫
在日 (集英社文庫 か 48-1) (集英社文庫 か 48-1)在日 (集英社文庫 か 48-1) (集英社文庫 か 48-1)
この本は「「在日」論」ではなく、「「在日」(2世)が戦後日本社会を生きてきた軌跡」という感じだ。 姜尚中という人の生きてきた道を辿ることで、戦後の日本社会の変遷、朝鮮半島情勢の変遷、そして日韓・日朝関係の変遷が分かる。自分が物心ついてからのことですら、知らないことが多かった。知っていることでも、その印象が著者と私では大きく違った。なにより、朝鮮戦争は「休戦状態」であり「終戦」していなことを私は知らなかった…。 ☆3
読了日:10月05日 著者:姜 尚中
日本の難点 (幻冬舎新書 み 3-1)日本の難点 (幻冬舎新書 み 3-1)
初の宮台。選民意識的なものを感じなくもないが、本当に頭がよくて、思考の息が長い人なんだと分かった。本書を貫く、現代は「再帰的」な社会だという著者の主張は、実感を伴って頷ける。「民主主義の不可避性と不可能性」、「日本人が社会にコミットメントするための装置は国土」などの話は、現在直面する社会状況を考える上で参考になった。しかし、著者が思うとおりの方向に日本を動かすのは相当困難だと思われる。さまざまなテーマに言及しているが、テーマによって議論の深さに差があるような気はする(けど私の知識でははっきりしない) ☆3
読了日:10月15日 著者:宮台 真司
バカの壁 (新潮新書)バカの壁 (新潮新書)
なぜこの本があんなに売れたのか?と疑問に思ってしまう内容。タイトルの勝利なのだろうが、「名は体を表す」べきだとすればタイトルミスである。本書の内容にみあったタイトルをつけるとすれば『養老センセイ現代ニッポン社会を憂う』という感じだろうか。口述筆記のような形式だから、内容に筋道が通っているかというと心もとなく、それでも語り口に引き込まれるかというとそうでもない。言いたいことはなんとなく分かるが、新しさはない。読んですっきりしないことこの上なし。 ☆1
読了日:10月19日 著者:養老 孟司

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