9月に読んだ本

 読書メーターの機能を活用して、9月に読んだ本をまとめておきます。月4冊=週1冊のペースですが、実際には波があって、昔の言葉遣いが難しい上に、背景知識がないため、注と本文を行きつ戻りつしながら読んだ『歌行燈・高野聖』と、門外漢である『アーキテクチャの生態系』は時間がかかり、他の2冊はすいすいと読めました。
 今月は1冊を除いて借りた本で、『歌行燈・高野聖』は院生部屋の後輩から、『アーキテクチャの生態系』は夫から、『日々ごはん』は妹から。人から本を借りると、今まで手を伸ばさなかったジャンルの本のおもしろさを知ることができて、かなり楽しいです。
 昨今では書評ブログなどが、広い範囲に向かって本を紹介する機能を果たしていますし、そこまでいかなくても友人・知人がブログ等で紹介していた本を読んでみる、という読書行動も多くなっていると思います。
 が、やはりブログを読んだだけでは、アマゾンのアイコンをクリック!とまではなかなかいかないのが一般人。実際に「おもしろいよ」、「読んでみて」と手渡されるほうが、効率は悪いかもしれないけど、実際に読書につながるケースは多いような気がします。
 最近、借りた本がおもしろいということが多かったので、「プレゼント交換」ならぬ「本交換」みたいな会を開いても楽しいんじゃないかと考え中です。本を「あげる」ことにしてしまうと、どうしても大事な本は出せなくなってしまうので、「貸す」形式にして、しかもきちんと返ってくる仕組みを思案中。


9月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1176ページ

歌行燈・高野聖 (新潮文庫)歌行燈・高野聖 (新潮文庫)
後輩に薦められて、初めての泉鏡花。まるで語りを聞いているかのような言葉の流れに身を任せていると、ぐっと作中世界に入り込む心地がして、登場人物たちのやるせない気持ちがじわあっと胸に広がる。どの話も素敵だったが、私は「歌行燈」の名調子に打たれた。今まで読んだことがなかったこと、古い漢字遣いにつまずき、知識のなさに注にあたるため、流れに身を任せきれないのが残念。 ☆4
読了日:09月07日 著者:泉 鏡花
アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたかアーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたか
アーキテクチャ」分析という視点を貫くことで、ニュートラルに現在のネット世界を知ることができる。「日本社会におけるネット世界」についての見通しが少しは良くなったような気がする。読まなければ「2ちゃんねる」や「ニコニコ動画」の仕組みや文化を知ることは難しかったと思うので。 ☆3
読了日:09月18日 著者:濱野 智史
玻璃の天 (文春文庫)玻璃の天 (文春文庫)
この巻で分かるベッキーさんの過去を踏まえて、改めてベッキーさんが花村家で英子の運転手をしていることを考えると、そのかっこよさが際立ってくる。そして英子父も相当の人物なのではと思えてくる。道子様の兄上はなにをどこまで知っているのか、講演会で出会った軍人さんはこのあとまた出てくるのか…結末が昭和11年2月と聞いているので、気になってたまらない。それにしても、昔のお嬢様は大人びているなあ。 ☆3
読了日:09月22日 著者:北村 薫
日々ごはん〈11〉日々ごはん〈11〉
?から全部読んでいるが、どの巻もどこかに必ず私の腹の底にずどんと落ちる言葉がある。この?では、当時世間を騒がせた中国製冷凍餃子事件について、そのころ中国で仕事をしていた(=実際に中国で食材を買って料理して食べていた)実感から書かれていて、なんだかどんな調査・研究よりも中国の食まわりを伝えているように思えた。この巻は夫・スイセイさんの「スイセイ留守番ごはん」も多くて、これも読み応えあり。 ☆3
読了日:09月29日 著者:高山 なおみ

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