いくつになっても夏休み

数日前の夕食

 以前、「今年の夏はなにがなんでも論文1本仕上げる!だから夏バテなんかしてられない!」と書いたのですが、そして例年ほどはバテていないのですが、それでもブログの滞りっぷりからも分かるようになんとな〜く「夏休みっぽい気持ち」になりがちです。
 大学院生に夏休みなどなく、前助教授の「ゼミがない夏こそ自分の研究に没頭して、休み明けは青白い顔をしているのが正しい大学院生(海で真っ黒く日焼けなんて論外)」という言葉が耳にこだまするのですが、6・3・3・4と10数年親しく付き合った夏休みの過ごし方がいまだに抜けないのかもしれません。夏休みっぽく過ごしたくなるのです。
 夏休みといえば、やっぱり旅行。実家でも私たちきょうだいが家を完全に出るまでは毎年なんらかの旅行をしていました。経済的なこともあって、夫と息子とは旅行ではなく帰省ばかりですが、今年は新潟で3年に1回開かれる「大地の芸術祭 越後妻有(えちごつまり)アートトリエンナーレ2009」に行ってきます。
 新潟県越後妻有地域の活性化のために2000年にはじまったこの芸術祭、地域の拠点となる施設や集会所を建築家やアーティストが手掛けたり、住む人がいなくなった空家を再生して新たなオーナーを探したり、里山の風景の中にアートを設置することで新しい景観を生みだしたりしています。作品を作るアーティストは地域外からやってくるのですが、取り組みが10年近く続く中で、地域の人との協働も生まれ、地元の女性たちが運営するレストランなどもできています。
 実は私の身内が深くかかわっているので、第1回からずっと行っていますが、本当に自然豊かな美しい地域で、そうした環境の中に存在するアート作品は現代美術の既成概念を超えたおもしろいものばかりです。
 第2回からは友だちを誘ってバスツアーを仕立てていて、今年も妹と一緒に20人のツアーを企画してしまい、ここ数日はその調整に気を取られています。8月9日から行くので、帰ってきたらまたレポートします。
 …というふうに、夏休みには楽しいイベントがつきものですが、そのあとに残るのは「宿題」。夏休みが始まるとすぐに宿題に着手し、7月中に終わらせるという人もいますが、私は完璧にギリギリ派で、最後の週に泣きながら絵を描いたり、原稿用紙を埋めたりしていました。
 実質夏休みがない現在でも、夏にぼーっとしては秋口になにかと「宿題」のようなものが溜まって焦っています。今年は「論文1本」が「宿題」に当たるわけで、しかも秋口に焦るだけならまだしも、私の将来にも関わる「宿題」なわけです。せめても新潟に行く前のこれから数日は研究に集中して、すっきり旅行してきたいと思います。