一所懸命努力せよ

 今日は久しぶりに研究室の教授のところに研究の相談をしにいった。
 昨年は自分の研究と言えることがなにもできなかったけれど、今年からはとにかく博士号を取るためにがんばると決めました、こういうテーマでやろうと思っています、ということを話した。
 それに対する先生の話は、これではゼロに戻っているぞ、ということだった。博士課程3年目になるのに論文が1本もない私。その原因は、卒論や修論や学会報告や…何もやっていないわけではないのに、粘ることなくそれをほったらかしにしてしまったことにあると。もう一度、これまでやったこと全部見直して、どこまでできていて、どこから進めなくなっているのかはっきりさせて、今ある材料だけで論文を1本書くようにと。それができたら、そのときは博士論文に向けての相談もできると。
 教授も、サバティカルで海外にいる準教授も、なかなか火がつかない私をよく見ていて、本当に心配してくれている。言葉の端々からそれがよく分かる。それが辛いがありがたい。
 先生が最近感銘を受けたという言葉。「人は能力の前で頭は下げん、努力の前で頭を下げる」*1私はこれまで、瞬発力や好奇心で前に進んできたと思う。多分、それはこれからも変わらない。でも、一所懸命とか努力という言葉も自分のものにしないと、ここから先には進めないんだろうな、と思う。
 進まないという選択肢も、もちろんあり。しかし進みたいのなら…一所懸命努力せよ!


*1 Jリーグ大分トリニータの運営会社大分フットボールクラブの会長、溝畑宏さんの父であり、元京都大理学部長だった国際的数学者・溝畑茂さん(故人)の口癖。1月10日付朝日新聞土曜版beより。